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害獣対策事業に関する事前検証試験について

本事業の実現可能性立証と、追加導入機器や検証項目精査のため、以下の通り可視光カメラ搭載のドローンと赤外線カメラ搭載ドローンを用いて事前検証を実施した。

検証事項
  • 可視光カメラと赤外線カメラを搭載したドローンによる害獣の検知の可否測定
  • 害獣探索におけるドローン飛行の最適飛行高度の測定
【平野〜草丈200cmの草原での事前検証】
試験日 2019年2月19日
試験場所 当社運営ドローン飛行練習場「HATAドローンフィールド千葉」
使用機体 DJI Mavic2Enterprise Dual(レンタル)
可視光カメラ 赤外線カメラ
試験方法 平均的な害獣の大きさの対象物(横38cm,奥行66cm,高さ20cm)を平野と草丈200cmの草原に設置し、高度を変えてドローンを飛行させ猟友会メンバーがモニターを通してその場で判別の可否を検証 平均的な害獣の大きさの対象物(同左)を16℃〜18℃に温め、平野と草丈200cmの草原に設置し、高度を変えてドローンを飛行させ猟友会メンバーがモニターを通してその場で判別の可否を検証
【平野における検証実施時の条件(可視光・赤外線カメラ 同一)】

気候 気温 風速 気圧 地表面温度※ 対象物表面温度※
曇り 11.8℃ 0m/s 1000.9hPa 9.8℃ 16.7℃

※温度測定には、非接触温度計を使用し、温度を測定する対象物(地面など)と温度計との距離は50cm〜80cm程度で実施

【草丈200cmの草原における検証実施時の条件(可視光・赤外線カメラ 同一)】

気候 気温 風速 気圧 地表面温度※ 対象物表面温度※
曇り 12.3℃ 0m/s 1000.8hPa 10.1℃ 18.7℃

※温度測定には、非接触温度計を使用し、温度を測定する対象物(地面など)と温度計との距離は50cm〜80cm程度で実施

試験結果と知見 [平野の場合]
・高度:70m,カメラ角度:90度で検知可能(ただし、周囲の色合いにより検知に差が生じる)
[草丈200cmの草原の場合]
・高度:30m,カメラ角度:90度で検知可能
・本件で使用した機体では害獣検知に熟練した猟師でないと検知が難しい
[平野の場合]
・高度:50m,カメラ角度:90度で検知可能
・平野は太陽で温まりやすいく、対象物と地表面の温度差が小さいため可視光カメラでの検知の方が容易
[草丈200cmの草原の場合]
・高度:50m,カメラ角度:90度で検知可能
・樹木などで対象物が完全に覆われていない場合、対象物と周辺の温度の差が大きいほど、検知が容易
検証結果 可視光カメラと赤外線カメラ搭載のドローン併用により、特に対応が急がれる中山間地域に出没する害獣の検知を行うことは十分可能であることが立証できた。
【森林での事前検証】
試験日 2019年3月29日
試験場所 木更津市内(詳細については非公開)
使用機体 DJI Mavic2Enterprise Dual(レンタル)
試験方法 罠にかかったイノシシの上空を、高度を変えてドローンを飛行させ猟友会メンバーがモニターを通してその場で判別の可否を検証
【検証実施時の条件】

天候 気温 風速 気圧 地表面温度※ 猪表面温度※ 檻の表面温度※
曇り 10.7℃ 0m/s 985.1hPa 11℃ 13℃ 7℃

※温度測定には、非接触温度計を使用し、温度を測定する対象物(地面、猪、檻)と温度計との距離は50cm〜80cm程度で実施

試験結果と知見 可視光カメラ 赤外線カメラ
・高度:30m,カメラ角度:90度でも検知不可能 ・高度:30m,カメラ角度:90度,赤外線カメラが検知可能な温度範囲:11℃〜25℃ で検知可能
・静止画では分かりにくいが、ドローンから伝送されるリアルタイムの動画では、白丸で示した部分の赤い点が動いていることが確認できるため検知できる
・イノシシの動きが活発なほど検知しやすい
・高度:30m,カメラ角度:90度,赤外線カメラが検知可能な温度範囲:オートでは検知不可能
・上記の赤外線が検知可能な温度を制限した場合と比較すると、猪と地表面の温度差が小さいため、猪の温度を表す部分がボヤけてしまい、動いていることが確認しずらい。
検証結果 森林内では、木々が障害物となるため可視光カメラの性能に関わらず、害獣を検知するのは困難である。一方、赤外線カメラでは民生機が搭載できるレベルの性能であっても検知不可能ではない。

事前検証から得られた今後の検討・実施事項

1. 害獣の表面温度と地表温度のデータ収集
事前検証によって、赤外線カメラで害獣を検知するのは、害獣の表面温度と地表面の温度差を加味し、赤外線カメラで検知できる温度の幅を適切に設定することが重要であることが分かった。
そのためには、害獣の表面温度の平均値と地表面の平均温度を算出することが重要であり、そのためのデータ収集を狩猟会社(房総山業)の協力のもと実施する。

2. 実践を想定した夜間での試験
実際に狩猟を実施する夜間で、事前検証と同様の試験を実施し、検証方法や安全管理のための項目を精査する。

3. 最適な赤外線カメラの選定
事前検証で使用した赤外線カメラの性能では、森林における害獣探索を行うには不十分であることが判明した。そのため、MATRICE200 V2(赤外線カメラの取替が可能なドローン)に搭載可能な赤外線カメラのうち、もっとも害獣探索に適した製品の選定を実施する。