登録講習機関として国家資格に対応
当社では、ドローンスクール「ドローンオペレーションサービスアライアンス(DOSA: Drone Operation Service Alliance)」の事務局ならびにDOSA千葉校の運営を行っております。DOSAでは2023年6月より国家資格取得のための登録講習機関として指導を行っております。基礎的な技量と知識を身に付けるためのコースに加え、産業用途に特化したプログラムもご用意し、安全なフライトのためのオペレーション方法を指導しております。
引き続き民間資格も実施
国土交通省ホームページ掲載管理団体「ドローンオペレーションサービスアライアンス(DOSA: Drone Operation Service Alliance)」としての事務局ならびに千葉校の運営も継続しています。
DOSAの方針
特定の人の操縦技量だけに頼ることをやめたい(=ノンテクニカルスキルを重視)
「ひとりの人間の能力には限界があり、またその特性上、何もせずにいればエラーの発生は不可避である」という事実をご存じでしょうか?そもそも人間はエラー(間違い)を起こす生き物であり、何事においてもエラーを減らすための努力が必要不可欠です。
これらエラーを回避する手法として航空業界では長年に渡り、CRM: Crew Resource Managenetを積極導入してきました。CRMとは、利用可能な全てのリソース(人・機器・情報など)を効率的に活用しつつ、チーム機能を最大限発揮することで「安全で効率的な運航を実現する」ための技法です。
人間が起こすエラーとして例えば以下のような背景が上げられます。
- 突然の出来事にパニックになる
- 長時間集中できない
- 1つのことに集中すると他が見えなくなる
- 疲れると注意力散漫になる など
そしてこうならないためには、個々の能力に依存するのではなく、チーム全体によるエラーコントロールや問題解決・危機回避能力が重要となってきます。
DOSAではこれらメソッドを積極的に取り入れ、テクニカルスキル以上にノンテクニカルスキルに重きを置いたドローンスクール団体です。
日本国内で産業用ドローンが発展しない理由を埋めたい
リサーチ会社が発表する予測値ほど、日本国内のドローン産業は発展していません。DOSAではこの理由は2つあると考えています。
(1) 民生機と産業機のギャップ
DJIを始めとした民生機は非常に良くできており、練習を積めば「飛ばす」だけであれば誰でもできるようになります。一方で産業機はまだまだ安定した操縦が難しく、サイズも異なります。コントローラーもフタバなどのチャンネルが多数あるものを採用しているケースがほとんどです。さらに運行管理アプリはスマホやタブレットではなく、PCを使用するケースが多いです。その上に産業機は価格も高く、なかなか産業機を操縦しようと思われる方が現れないのが現状です。そもそもドローンは、既存サービス会社が自分たちの業務の効率化に使用するのが本来であり、彼らがスムーズにドローンを導入できるようなしくみづくりが必要不可欠です。
(2) 実証実験と社会実装の間のギャップ
まだまだドローンは実証実験のフェーズですが、この数年でいよいよ、社会実装に向けた取り組みが始まろうとしています。ところが、この実証実験と社会実装の間にまた、大きなギャップがあります。現在の実証実験に携わっているのは、ドローンメーカーやベテランパイロットが所属するドローンサービスプロバイダばかりであり、運用フェーズでドローンを活用したい方々ではありません。彼らには、運用フェーズでどのようなノウハウが必要なのかが分からないのです。実証実験と社会実装の間のギャップを埋める活動が、今まさに必要とされています。
DOSAでは、この2つのギャップを埋めることをミッションとしています。数々の実証実験とフライト業務に携わってきた株式会社ダイヤサービスが立ち上げたDOSAだからこそ、このミッションを掲げることができるのです。
ドローンのための”DEC応急手当講習”
空飛ぶロボット「ドローン」には多くの可能性が秘められており、少子高齢化の進む世界において、その重要性と必要性はますます高まっております。一方で便利なロボットではありますが、3次元を動くがゆえに、万が一の際は一気に凶器と化す可能性があります。ドローンのための”DEC (Drone Emergency Care)応急手当講習”で、万が一起こしてしまった場合の事故の被害を最小限に食い止める方法を学びましょう。
※DEC応急手当講習は、民間企業が実施する講習です。国家資格等ではございません。
”DEC応急手当講習”開発の背景
(1) 人身事故発生時の負傷者救護が必須になった。
2022年度より、万が一ドローンで事故を起こしてしまい負傷者が出た場合にドローン従事者は、負傷者の救護に駆けつけなければならなくなりました。これは交通事故の際の「緊急措置義務」(道路交通法72条1項)と同じようなものです。
「緊急措置義務」では、人身傷害を伴う場合に事故関係者は、救急車を呼ぶ・病院に運ぶ・事故現場において止血など可能な応急手当をするなど、必要な救護活動をしなければならないとされており、これを怠るとひき逃げ(救護義務違反)として厳しく罰せられます。
現時点において、ドローンによる人身事故で負傷者救護を怠った場合の処罰についての情報はありませんが、救える命は救うのが当然であり、またドローン従事者の責務と私たちは考えております。
(2) 手動飛行から自律飛行への変化に合わせた運用が求められている。
これまでのドローンは手動飛行を中心とした操縦であり、リスク回避のための運用は操縦技量の向上および人がいないところで飛ばす、程度でした。しかしながら時代は既に自律飛行へと進み始めており、操縦技量に加えた対策が求められていくはずです。つまり事故発生直後の適切な対応が必要であり、応急手当のスキルと装備を活用した、緊急対応における被害の軽減が必要とされていくはずです。
(3) フライト現場から医療機関までの距離が離れていることが多い。
現在行われているドローンの実証実験や撮影・インフラ点検などは、どちらかと言えば人里離れた過疎地域・山間部・離島等でのフライトが多いかと思います。当然、医療機関までは距離が離れていることが多く、万が一の際の搬送にも時間がかかってしまいます。
一方で出血多量からは1時間、呼吸停止からは15分、心臓停止からは10分で救命の可能性は限りなくゼロになってしまいます。つまり、ドローンの飛行現場で起きた事故に遭遇したメンバーが救命対応を行えないとなると、本来失わずに済んでいた生命や身体機能を喪失してしまう可能性があるのです。
DEC応急手当講習の特徴
(1) ドローンサービス企業の目線でドローンに特化して作成
日々現場でドローンを飛ばしているからこそ分かるリスク。当社では、経験した現場数・機体の種類・操縦方法などなど、ありとあらゆるパターンにおいて安全な運行方法を追求しながら経験を重ね、そして対応策についてアップデートを繰り返してきました。このリスクを最小限に食い留めるための措置こそがDECの哲学であり、これはドローンサービス企業でなければできないことです。
また一般的な応急手当講習では、ドローンとは関係のない部分も多数含まれてきてしまいます。DEC応急手当講習はドローンに特化することで、ドローン従事者の皆さまが効率的に応急手当法を身に付けることが可能となっております。
(2) 看護師・航空保安要員(客室乗務員)監修による講習プログラム構築
DECのテキストおよび講習は、ドローンサービス企業である当社において、看護師・航空保安要員(客室乗務員)それぞれの監修を受けて構築されました。つまり、ドローンサービスのプロフェッショナル・救急救命のプロフェッショナル・航空保安のプロフェッショナルで作り上げられた、世界でたった1つの講習になります。
(3) オンラインによる事前学習制の導入で実技中心の1日講習を実現
複数日に渡る講習は、忙しい企業の皆様においてスケジュールを調整するのが大変です。このため、1日間で必要な知識と技術を身につけられるよう、座学については事前にオンラインで学んでいただくこととしました。これにより”DEC応急手当講習”の対面講習は、即現場で活用できる”実技が中心”となります。
(4) 認定証の発行
”DEC応急手当講習”を受講いたしますと、オリジナルの認定証が発行されます。ドローンのフライト現場には必ず携行し、必要に応じてクライアント・お取引先の皆さまにご説明をいただくことで、安心感を提供できます。なお、認定証の有効期限は2年間となっております。2年毎にアップデート講習(3時間程度、座学+実技)を受講いただくことで更新が可能です。応急手当のガイドラインは変化していきますので、その変化に対応させるためにも、2年毎の更新をお願い申し上げます。
DEC応急手当講習で学べること
”DEC応急手当講習”では、以下のようなことを学ぶことができます。
- 119番にかけたときの対処方法
- スタンダードプリコーション(標準予防策)
- BLS(一次救命)の対応フローと処置方法
- PRICE処置法(肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急手当方法)
- 心肺蘇生方法(CPR)とAED使用方法
- 傷病者の搬送方法
- ドローンの現場でありえる怪我の応急手当方法
- 指の切断
- 擦り傷・切り傷
- 打撲
- やけど
- 虫刺され
- 熱中症 など全23項目
講習カリキュラム
(1) 事前オンライン講習
お申込み後、講習前日までにオンラインにて座学を学習いただきます。オンラインの座学講習は2時間程度となっており、また細かく章に分けた動画として通勤時にも無理なく学べるように配慮しました。
(2) 対面講習
対面講習は、実技を中心としたワークショップになります。
時間 | 内容 | 区分 |
9:30〜9:50 | オリエンテーション | |
9:50〜10:10 | スタンダードプリコーション | ワークショップ |
10:10〜11:10 | 一次救命処置①(意識・呼吸の確認、CPR、AED) | ワークショップ |
11:10〜11:25 | 一次救命処置②(JCS、バイタルサイン) | ワークショップ |
11:25〜11:35 | PRICES処置法 | ワークショップ |
11:35〜12:10 | 三角巾、シーネの使用方法 | ワークショップ |
12:10〜13:10 | 昼休憩 | |
13:10〜13:45 | 出血時の応急手当方法 瞳孔・対光反射の観察方法 | ワークショップ |
13:45〜14:00 | ポイズンリムーバの使用方法 | ワークショップ |
14:00〜14:20 | 傷病者の搬送方法 | ワークショップ |
14:20〜14:25 | 休憩 | |
14:25〜16:15 | ドローンの現場で起こりうるその他の応急手当方法 | ワークショップ |
16:15〜16:45 | 効果測定 | 実技テスト |
16:45〜 | 質疑応答 |
金額
※3名以上の同時受講での開催となります。
※企業などでまとめて受講をご希望の場合、各種割引制度を用意しております。お気軽にご相談くださいませ。
講習のみの場合
おひとり様あたり、27,000円(税込29,200円)
DECキットを同時お申し込みの場合
おひとり様あたり、48,800円(税込53,680円)
※DECキットの概要については、本ページ下段もしくは販売サイトをご参照ください。
受講方法
定期開催コースで受講
現在のところ月に1〜2回、DOSA運営事務局のある千葉県千葉市にて、定期的に開催をしております。ご予約はこちらからお願いいたします。
※最低開講人数2名です。参加人数が3名に達しない場合は別日にて改めて受講いただくよう、ご案内をいたします。
<講習予定日> 1月20日(金):満員御礼 お申し込みはこちらから |
出張開催コースで受講
企業様向けに予め日程調整の上、ご指定の場所まで出向いて講習を開催いたします。詳細については、お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
※4名以上の参加が条件となります。
※ご指定場所での出張出前講習の場合は、手数料、旅費交通費、宿泊費(遠方の場合)等が別途発生いたします。