社長ブログ

飛行日誌&チェックリスト統合アプリ「FS-DOD」について

先日リリースをいたしました飛行日誌&チェックリスト統合アプリ「FS-DOD: FLY SAFE DRONE OPERATION Dashboard」ですが、機能がてんこ盛りなゆえにアピールの難しさを痛感しています。

ドローンに限らずなのですが、どうしても「安全」「正しい管理」といった話は後回しになりがちです。なんとなくですが、飛行日誌の記録のみに特化したものが人気があり、我々のシステムのように飛行日誌はたくさんある機能のうちの1つという考え方は浸透がし辛いなという感じです。

そこで、今回FS-DODをリリースするに至った背景を説明してみようと思います。

遡ること4年前、2019年の時に少しだけ仕事が増え始め、それまで一人で行っていたドローン事業に従業員を迎え入れることになりました。これで少しは楽になるかなと思ったのですが、実際には全然そうならない。いつまで経っても、フライト現場では私が仕切って私がフライト、という状況は変わりませんでした。おかしい、こんなはずじゃなかった。色々原因を探った結果、そもそも私の頭の中に業務の流れの全てがあり、マニュアルも何もありませんでしたので、なかなか伝わらないことが分かりました。

また、フライト業務のみを受託することもあったのですが、何かあれば全て操縦者の責任という風潮にも疑問を抱くようになりました。自動飛行のルート、関係者との調整、当日の天候確認、付近の有人機の確認・・・操縦者ばかりやることが増える一方です。このままでは、産業が発展してチームとして業務に取り組むことが多くなっても、いつまで経っても操縦者が責任を負わないといけないのはおかしいのではないか?

であれば業務の流れと役割分担を明文化したらどうだろうかと考えたものの、業務に追われて時間が割けない。そこで、チェックリストをまずは作成してみることにしました。チェック項目を多数挙げていくうちに、これは操縦者以外でもできる項目ではなかろうかというものにマーキングを行い、できあがったのが最初の当社のチェックリストです。当時は持ち物のチェックリストと、飛行前に点検したほうがよい項目のチェックリストの2つでした。いざ導入してみると、、、説明がしやすい!しかも、従業員が自分の役割を理解してくれる!そうだ、これだ!

ということで、次に業務の流れを整理してみることにしました。つまり、準備のフェーズから飛行前・飛行中・飛行後のフェーズに分けてみたのです。その次に、各フェーズごとにチェックリストを作成し、さらにそれを電子化することにしました。紙だとどうしてもバッグに入れたままとかになってしまい、結局使わずに終わるなんてことが何度も発生していたからです。しかも、チェックした用紙はデスクに数ヶ月放置後、もう要らないだろって感じで処分していた経緯もあります。このフェーズごとの管理は、従業員の役割分担・責任の明確化にさらにプラスとなりました。当時CRMについての社内研修もしており、社内的に操縦者はフライト中以外は一番偉いわけではない、という結論に達しておりましたが、その考え方もズバリとフェーズごとの管理に刺さりました。各チェックリストは、度のタイミングで誰が行うのかを決めて運用しておりました。

紆余曲折を経て2020年後半、ようやく思い描くチェックリストシステムが出来上がりました。当時はMicrosoftのFormsを使用し、社内でのみの管理でした。それでも、手順や役割分担が明確になり、ヌケモレが極端に減りました。また従業員も責任が明確化され、(もしかしたら嫌々かもしれませんが)担当する部分はしっかりとこなしてくれるようになりました。

この頃、ANA様が社内スタッフにiPadを配布というニュースを耳にし、そういう時代なのかなと思って社内全従業員にタブレット(iPad)を1台ずつ配布しました。これにより、フライト現場では全従業員がiPadを使ってチェックリストをもとに飛行前点検や身だしなみのチェック、フライトログの入力を行うようになりました。この様子は下請として業務を受託した案件で元請の皆さまも拝見しており、興味を持っていただけるようになりました。一部のお取引先様からは「うちでも使いたい」というお声を頂戴するようにもなりました。

「よし、だったら誰でも使えるようなシステムにしよう」ということで、2021年の秋、ウェブベースで稼働するシステムの開発に着手した次第です。当初は現状と同じ機能としつつ、MS Formsでは難しかったチェックリストとチェックリストを紐付ける仕組みだけはMustとしておりました。ところが2022年の春になると、飛行日誌の義務化の話が出てきました。やっぱりか、と思ったのを今でもはっきり覚えています。ただし当時は飛行日誌の項目が明確になっておらず、まずは従来の飛行実績報告書をベースに、当社なりに必要と思う項目を追加して開発を進めました。

2022年の秋、リリースに目処が立ち始めた頃に飛行日誌の項目が明確になってきました。そんな時に限って、ありがたいことなのですが普段の業務で手一杯になりはじめ、航空法改正施行の2022年12月のリリースが難しくなってしまいました。ビジネス的にはどうしてもこのタイミングでリリースをさせるべきなのですが、無理に中途半端な状態でリリースしても仕方ないなと判断、その後に従業員の不幸や登録講習機関修了審査用機体TOMCATの販売開始もあり、開発プロジェクトは一旦凍結することになりました。それでもこの時点で既に開発版は完成しており、社内および一部の提携先企業でトライラル的に利用開始をしています。

2023年3月、さすがにリリースを急ぎたいと思うようになり、開発を再開。エンジニアには無理をお願いして5月にリリースとなった次第です。

ということでお気づきかもしれませんが、このシステムには我々が業務の中で培ってきたノウハウが盛り込まれているのです。散々普段のオペレーションで苦労しながら、改善に次ぐ改善で形作ってきた経緯を踏まえたシステムです。本当にラッキーなことにたくさんの仕事に恵まれたからそ、悩んで改善しての繰り返しができたとも言えます。つまりこのシステムを利用すれば、最初から悩むこと無く、体系的にドローンの運航ができるということです。チェックリストを使いながら、飛行日誌も完成してしまう、画期的な仕組みなんです。

さらにデータ管理ならではというところで、飛行時間の自動集計機能なんかも付いています。そして、何よりもレポート機能があること。このレポートをクライアントに提出すれば、間違いなく一目置かれるはずです。それぐらい、しっかりとした管理を行う流れになっているんです。

ということでこのFS-DOD、14日間の無料トライアル期間があります。騙されたと思って一度使ってみていただければと思います。

>> FLYSADE_DODチラシはこちら

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