社長ブログ

農薬散布機で重傷事故の報道

大分県で発生した、農薬散布機による事故の報道。目測を誤って電柱にぶつけてしまい、墜落した機体に手が出てしまってプロペラで指を骨折とのこと。何よりもまずは、お怪我された方の一日も早い回復を願うばかりです。国交省におかれましては無人航空機の事故に認定し、運輸安全委員会が原因を調べるため航空事故調査官2人を指名されたとのことですので、今後発表されるであろう詳細を待ちたいと思いますが、機体側のトラブルでない限り、どうか「操縦者の問題」だけで片付けないで欲しいと願っています。

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ところでプロペラの回っている機体に手を出すのがおかしいというご意見もあるようですが、とっさの時、人間って頭では危ないと分かっていてもつい手が出てしまうものです(もしくは凍り付き症候群で何もできないケースもあり。)推測でしかありませんが、反射的に手が出てしまったのではないかと思います。

DJIの機体だったら墜落したらプロペラ止まるという話もありますが、産業機はその限りではありません。それにDJIの機体であっても、モーターに過度な力がかからない限り、プロペラは止まりません。ちなみに私、昔Phantom3の着陸ごけでバウンドするように機体が転がり(ペラは止まらず)、慌てて手を出してしまい腕にプロペラで切った傷を5箇所ほど作った経験あります。

目測を誤った理由は現時点では分かりません。単に操縦技量不足なのか、はたまた心理的要因があったのか…。仮に操縦技量不足だったとして、ではそのための事前対策はどうだったのか…。そもそもベテランでも、疲労や睡眠不足、精神的理由等で集中力を欠き、空間認識がずれ、目測を誤ることはあります。

1つ間違いなく言えることは、一歩間違えれば凶器になるということは理解しておかないといけないし、それに対する事前準備も必要ということです。事故は起こしたくないし、起きて欲しくもない。でも人間である以上、ゼロにはできないものでもあります。

だからこそ、リスクマネジメント、ヒューマンエラー対策、チームビルディング、そして負傷者救護まで必要なんですよね。今回、骨折だからまだ良かったのかもしれませんが、仮に指の切断だったら果たしてどれだけの人が適切な初期対処できるのでしょうか?

日頃の操縦訓練(テクニカルスキル)、事故を未然に防ぐための対策・事故が起きてしまった場合の迅速適確な処置(ノンテクニカルスキル)、全て同等に大切だと思ってます。そして、これら全てを意識して行動することこそがエアマンシップだと思います。

ついでですが、指導する側は責任を持ってそこまで面倒見る必要があるとも考えています。本来、そのためのドローンスクールなのではないでしょうか?少なくとも当社運営のDOSAは、その前提で指導を行ってきました。今後もブレること無く、正しいと思ったことを継続していくのみです。

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