社長ブログ

なかなか安全なドローン運航の文化が根付かない

タイトルのとおりなのですが、半分愚痴みたいになってしまいますが、皆さん口を揃えて「安全第一」とは仰るものの、行動が本当に伴っているケースが増えていかないことにヤキモキしています。

まだまだこれからの産業ですので、リスクを取る行動自体、やむを得ない面も多々あると思っています。とはいえなにか起こってしまってからでは遅いわけで、事前のリスクマネジメントはもっと業界を上げて考えていかないといけない部分だと思っています。

確かに2022年12月から負傷者救護は義務化となり、登録講習機関の講習ではCRMに触れるようになりました。でも、具体的に何をやっていけばよいのかという行動指針が示されないので、なかなか誰も手を付けようとしないのが現状ではないでしょうか?

毎月のように応急手当訓練をやってるドローンの会社なんて、恐らく日本中見渡してもうちぐらいだと思います。CRMが大事って言われても、リソースを活用することが大切ですとか、リスクアセスメントを行うことが大事です、ぐらいの説明で終わってしまっている気がしてなりません。

先日リリースした飛行日誌&チェックリスト統合システム「FLY SAFE DRONE OPERATION Dashboard(FS-DOD)」に至っては、チェック項目が多すぎてオペレーションが回らないのだそうです。必要と痛感して項目を増やしているわけですが、なかなかこのあたりは伝わりづらい面があるようです。ついでに言ってしまうと、少なくとも弊社や、弊社のコンサル先では実施できていますけどね・・・。

大きな事故が起こればきっと意識も変わっていくのでしょうけど、そんなこと1ミリも望んでいません。何もないまま、ひたすら右上がりで産業が発展して言って欲しいと願っています。でも、空飛ぶものである以上、いつかどこかで必ず落ちます。それが自分のときなのか否かだけの違いです。

航空業界では1960年代は、事故の7割がテクニカルスキルによるものだったそうですが、時代が進み現在はテクニカルスキルによる事故は1割と言われています。つまり残りの9割は、ノンテクニカルスキルによる事故ということになります。そしてノンテクニカルスキルの中でも、個人の問題というよりは組織の問題に起因する事故が増えているそうです。

ドローンもきっと同じような流れになっていくものと私は考えています。今はまだ、やれ電波途絶だ急にロータが停止しただなんだで操縦不能になっての墜落等、多数あると思います。でもこれらは時代の流れと共に機体が成熟していき、必ず減っていきます。その頃にはもっとドローンは一般的なものとなり、より多くの方が活用していると思われます。そうなればなるほど、ノンテクニカルスキルが原因となる事故の割合は増えていくはずです。

まずは企業として安全文化をしっかりと社内に浸透させることが大切だと思っています。だから当社は、ドローン企業の中でどこよりも早く安全憲章を定め、それをクレドカードの中にも掲載して全従業員に配布しています。(ちなみに私は、お財布、携帯ケース、カバンそれぞれに入ってます。)

ダイヤサービスCredo

そしてその安全文化を、個々人のスタッフにまで根付かせていくことが次のステップです。そのためには、リスクマネジメントの大切さをしっかりとスタッフに伝え、その上でCRM概念の学習や負傷者救護方法の習得などの対策を取るのが良いと思います。

当社にはリスクマネジメントを効率的に社内に浸透させるための「FLY SAFE DRONE OPERATION Dashboard(FS-DOD)」、事故を起こさないためのチームビルディングやコミュニケーション等を学べる「CRM講習」、そして万が一事故が起きてしまっても最悪を防ぐための「応急手当講習」があります。そろそろ安全に関して考え始めるべきだよなと思った方がおりましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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