社長ブログ

駆け出しの頃の当社オペレーションと現在

前回の「ノンテクニカルスキルが今後、より求められていくはず」の投稿で続きはまた今度と書いてしまいましたので、忘れないうちに続きの投稿です。(前回の投稿「ノンテクニカルスキルが今後、より求められていくはず」はこちら

過去の当社のドローンのオペレーションがどうだったかというと、、、正直に申し上げまして決して良いものではなかったと思います。一応、一人でフライトを行うことはほぼしませんでした。ほとんどのフライトにおいて、補助者を立てていました。

が、安全対策という対策はそれぐらいでして、あとはパイロットの腕、当時で言いますと私の腕に全てがかかっていたと言っても過言ではなかったと思います。飛行前点検、一応やってたつもりですが、ログはほぼありません。オペレーションフロー、そんなもの自分の頭の中だけで、補助者にはその場でああしてくれ、こうしてくれ、と指示するパターン。チェックリストに至ってはそれなんですか?、です。

本当に運良く大きな事故無く過ごすことができましたが、ヒヤリ・ハットは無限にありました。今思い返すと、フライトそのもの、会社そのものがヒヤリ・ハットだったかもしれません。恥ずかしい限りです。

これではマズいと思ったのが、ドローンを初めて数年後のことでした。徐々にDJI以外の期待にも触れる機会が増え、基本的に私は心配性というかビビリなので、あれもこれもと心配になり、飛ばせば飛ばすほど怖くて飛ばしたくないという気持ちが芽生えるようになってきました。そんな中で九州豪雨の現場でインフラ点検のための飛行を、当時特別許可を得て対応したことが大きな転機となりました。これ、下手したら二次災害起こすし、最悪、自分たち死ぬぞ、と思ったのです。

そんな自分が少しでも安心して飛ばせるにはどうしたら良いのだろうか?思い切って自分で飛ばすのはやめてしまおうか、と考えたこともあります。が、代理で飛ばしてくれる人がいない!さあ、どうしよう。そこから弊社の、いや、私の意識改革が始まりました。まずは点検内容とか、きちんと整理しようという点からスタートし、理想とする体制も絵に書いたりを始めました。

その頃から思い切って、危険と思われる飛行については断る勇気を持つようにしました。大した売上もないのに目の前からお金が逃げていくので、かなり思い切った対応でした。とにかく我慢。けっこう辛かったです。

二度目の転機がまさに、今いる従業員たちの存在です。実は当社従業員は、航空業界や医療業界から参画してくれたメンバーたちです。どちらも人の命を守るという点において、日頃から厳しい訓練や指導を受けてきた存在です。従業員たちの視点から見て、より安全なオペレーションの実現方法を模索し、当社なりのガイドライン・役割分担・チェックリスト等の具体的な策定にまで着手することができました。そしてどうせなら電子化したいと思い、その部分は主に私が担当し、iPadで全て対応できるようシステム面も充実化をさせました(あ、いや、途中からは従業員が対応してくれました)。やっと、自分の思い描いていたオペレーションが形となって出来上がってきたところです。メンバーのみんなには本当に感謝の限りです。

本音を言いますと、チェックリストとか面倒くさいなと正直思いました。が、実際に使用してみると、抜け漏れが格段に減ります。そのまま電子データとして保存もされます。そして、新人教育のマニュアル代わりにもなります。まさに一石三鳥でした。もっと早く取り組んでおけばよかったなと反省しております。

小さな会社ですが、ラッキーなことにたくさんのフライトを経験させていただくことができ、人材にも恵まれ、そのおかげで今のオペレーション方法を確立させることができました。今後はこのノウハウを、これからドローンを自社事業に導入していきたいという方々にシェアしていきたいと考えています。詳しくは「コンサルティング」のページをご参照いただければと思います。

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